シチューを煮ている途中で「あれ、ルーが足りないかも」と焦ったことはありませんか?すぐ何かを足したくなりますよね。でも、ルーを溶かした直後にさらさらしている場合と、仕上げまで煮ても味が薄い場合では、次にすることが違います。まずは今がどの調理段階かを確かめましょう。
ルーを入れたばかりなら、使っている製品の表示どおりに煮てから再確認。仕上げてもとろみが弱ければ水溶きの粉、味も薄ければ味付けを検討します。箱に対して水や具材が多いと分かっている場合も、最初から粉と調味料をまとめて入れず、とろみと味を別々に調整するのが順番です。
ルーが足りないと判断するタイミング
ルーを溶かした直後は、まだとろみが出きっていないことがあります。まず商品の箱に書かれた煮込み工程を終えたか確認してください。途中なら、材料を足す前に表示に沿って加熱を続けます。ハウス食品の一般的な案内では、ふつふつと沸騰した状態で10分以上煮込んで様子を見るとしています。ただし、製品ごとに手順は異なるので、この時間を他のルーへそのまま当てはめず、手元の商品の表示を優先します。参考:ハウス食品「シチューの基本のテクニック」
表示どおりに仕上げてもさらさらしているなら、箱に対して水が多くなかったか、具材から水分が出ていないかも振り返ります。水分が多い場合は、焦がさないようかき混ぜながら少し煮詰め、再び状態を見ます。煮込み不足や水分過多でもとろみが弱くなるため、「さらさら=ルーを足すしかない」と即断しなくて大丈夫です。参考:エスビー食品「とろみがつかない時」
反対に、鍋の量に対してルーを表示より少なく使ったと分かっているなら、待っても表示どおりの味になるとは限りません。この場合も、煮込み途中のさらさらした状態から粉の量を決めず、仕上げの段階で味ととろみを確認してから不足するほうを補います。「今すぐ対処したい」ときほど、まず工程を終えるのが判断の近道です。
ここまで確認してもとろみが弱い時に、味も別に確かめます。とろみは弱くても味が整っているなら次の章でとろみを補い、口に含んで味も物足りないなら後半の味の章へ進みましょう。両方足りない時は、とろみを調整してから味を見直すと、粉と調味料を一度に入れすぎずに済みます。味見に使ったスプーンは鍋に戻さず、清潔な器具を使ってください。
とろみの確認は、火を止めたまま一瞬見て決めるのではなく、商品に書かれた仕上げの加熱が終わってから行います。お玉ですくった煮汁の流れ方を見て、濃さの感じ方は少量を器に取り、熱さが落ち着いてから味見しましょう。まだ具材が硬い、牛乳を加える工程が残っているといった段階なら、完成時の状態を先回りして決めつけず、まず残りの工程を済ませます。
とろみが弱い時の対処
表示どおりに煮て水分量も確認した後、味はよいのにとろみが弱い場合は、家にある材料で補う方法があります。急いでいても粉を鍋へ直接振り入れず、別の器で準備してから加えるのが大切です。どの方法でも、鍋の量や現在の濃さによって必要量は変わるため、共通の分量では決められません。
小麦粉とバターで作る応急ルー
小麦粉とバターがあるなら、別のフライパンで合わせてから鍋へ加える方法があります。バターを溶かして小麦粉を焦がさないように炒め、牛乳や鍋の煮汁を少しずつ加えてのばします。なめらかになってからシチューへ混ぜれば、粉を直接振り入れるよりだまを避けやすくなります。鍋へ戻したら弱火で混ぜ、全体のとろみを確認してください。
これは、ルーを使わずに作るクリームシチューで用いられる、小麦粉を油脂と合わせる方法を応用したものです。味の素パークでは、小麦粉を油脂で包むことで水分を一度に吸いにくくし、だまを防ぐ仕組みを説明しています。ただし同ページは「途中で足りなくなったルーを補う分量」を示すものではありません。鍋の状態を見ながら加える方法として使いましょう。参考:味の素パーク「ルウなしで作るクリームシチューのコツ」
フライパンで作ったものをそのまま大きな塊で鍋へ落とさず、少し煮汁を混ぜてゆるめてから加えます。とろみの出方は、もとのシチューに残っているルーや水分の量でも変わります。最初から「この量を入れれば直る」と決めず、少し加えて混ぜ、火を通してから状態を見る順番です。もう少し必要なら、同じ手順で追加します。
小麦粉を炒める間は、焦げないよう火加減を見て混ぜ続けましょう。焦げた色やにおいが出たものは鍋に混ぜず、作り直すほうがシチューの風味を損ないません。熱い鍋へ顔を近づけず、牛乳や煮汁も少しずつ加えてください。
水溶き片栗粉・小麦粉でとろみを補う

別のフライパンを使わずにとろみを補うなら、水で溶いた片栗粉または小麦粉を使えます。ハウス食品とエスビー食品も、十分に煮込んだ後の方法として水溶きの粉を案内しています。必要な粉の量は、鍋の水分量と仕上がりの好みで変わるため、最初からたくさん用意する必要はありません。粉を水でよく溶き、少量ずつ加えて様子を見ます。参考:エスビー食品「とろみがつかない時」
入れるタイミングにも注意しましょう。ハウス食品の案内では、いったん火を止めて沸騰がおさまってから水溶きの粉を加え、全体に混ぜて弱火で煮込みます。強く沸き立つ鍋へ一度に注ぐより、粉を均等に行き渡らせやすい手順です。同社は追加後も弱火で10分以上煮込む方法を示していますが、使っている商品の調理表示があればそちらも確かめてください。参考:ハウス食品「シチューの基本のテクニック」
加えた直後に「まだ薄い」と判断して粉を重ねると、あとから濃くなりすぎることがあります。加えて混ぜ、再加熱してとろみを確認してから追加の要否を決めましょう。反対に、味まで薄い場合は、粉を増やしても味は補えません。とろみが落ち着いてから少量を味見し、必要なら味の章へ進むと、何を足すべきか迷いにくくなります。
粉がない時は具のじゃがいもを少し崩す
鍋にじゃがいもが入っていて、すでにやわらかく煮えているなら、具の一部をお玉で崩して混ぜる方法もあります。ハウス食品は、じゃがいもが煮崩れることで粘性が出ると説明しています。粉を新たに探す前に、具材の状態を見て選べる方法です。参考:ハウス食品「シチューの基本のテクニック」
ただし、まだじゃがいもが硬い段階なら、無理に崩しても同じ仕上がりにはなりません。まず具材に火が通るまで煮る必要があります。また、崩しすぎると具の形がなくなり、もとのシチューとは食感も変わります。少し崩して混ぜ、とろみを見てから続けるか決めましょう。じゃがいもが少ない鍋や、具の形を残したい場合は水溶きの粉を選べます。じゃがいもが入っていない鍋なら、この方法にこだわらず別の選択肢を使います。味も薄い場合は、じゃがいもを崩しても味付けを補うことにはならないので、最後に改めて味見してください。
味がぼやけている時の対処
コンソメなどでコクと風味を補う
十分に煮てとろみは出ているのに、味がぼんやりしているなら、粉を増やす場面ではありません。まず箱に書かれた水とルーの割合を確認しましょう。水や牛乳を多く入れた可能性があるなら、調味料を足す前に鍋の量に合う濃さへ調整する必要があります。具材の量や種類でも味の感じ方は変わるので、少量を器に取り、熱さに注意しながら味見します。
クリーム系シチューで風味を補う一例として、コンソメを少しずつ加える方法があります。味の素パークのルウ不使用クリームシチューにもコンソメを使う例がありますが、そのレシピの分量を途中の鍋へそのまま移すことはできません。製品ごとの塩分も違うため、ひとつまみ加えて混ぜ、味見してから次を考えましょう。参考:味の素パーク「ルウなしで作るクリームシチューのコツ」
先にとろみを整えてから味を確認するのは、あとで水分を足したり煮詰めたりすると、味の濃さも変わるからです。コンソメを一度に入れすぎると塩気が戻せなくなるので、薄いと感じても急がず少量ずつ。ビーフシチューなど別の味の製品にはクリーム系と同じ調味を機械的に当てはめず、手元の商品の風味を見て判断してください。
だま・濃すぎを防ぐコツ
だまにしない加え方
だまを避けるには、粉を鍋へ直接振り入れないことが基本です。小麦粉とバターを炒める方法なら、別鍋でなめらかにしてから加えます。水溶きの粉を使う方法なら、先に水でよく混ぜてください。味の素パークは、小麦粉に水分が一度に触れて部分的に固まるとだまになりやすいと説明しています。参考:味の素パーク「ダマにならないコツ」
水溶きの粉を入れる時は、ハウス食品の手順のようにいったん火を止め、沸騰がおさまってから少量ずつ鍋全体へ広げて混ぜます。その後で弱火にかけ、とろみを確認します。鍋の一か所へまとめて入れないこと、加えた直後の見た目から追加を決めないことがポイントです。参考:ハウス食品「シチューの基本のテクニック」
もしだまができたら、まず火を止めて鍋の状態を確認します。少量ならお玉で軽くほぐせる場合もありますが、熱いシチューを勢いよく混ぜると飛び散るので注意しましょう。味見のたびに同じスプーンを鍋へ戻さず、清潔な器具を使うことも大切です。エスビー食品は、味見に使ったおたまやスプーンをそのまま鍋へ戻さないよう注意しています。
濃くなりすぎた時の調整
とろみを足しすぎて濃くなったら、まず火を弱め、鍋の状態を見て水分を少しずつ足します。クリームシチューなら使っていた牛乳や水を候補にできますが、増やすほど味も薄くなるので、一度に多く注がないようにしましょう。熱い鍋へ加える時は、はねないよう鍋の縁からゆっくり入れて混ぜます。
味が濃くなった場合は、粉を足しても解決しません。使っている製品の作り方に戻り、水分との割合を見ながら少しずつ調整します。水分を足したあとは、もう一度加熱して全体をなじませ、味ととろみを別々に確かめてください。味見せずに薄める作業と粉を足す作業を交互に繰り返すと、かえって着地点が分かりにくくなります。
味やとろみを足す作業は、どの方法でも「少量ずつ加えて都度味見をする」ことが失敗を防ぐ一番のコツです。一度に多く入れてしまうと、味の濃さもとろみの強さも後から調整しにくくなります。
次に同じことで困らないために
「足りない」と感じた瞬間に粉や調味料を入れるのではなく、まず使っているルーの表示どおりに煮込んだかを確認します。仕上げても薄ければ水分量、とろみ、味の順に見て、とろみには水溶きの粉や応急ルー、味には必要に応じた調味を選びましょう。どちらも足す時は少量ずつ、加熱と味見を挟んで次の一手を決めます。
次に作る時は、調理を始める前にルーの残量と箱に書かれた水・具材の量を確認しておくと安心です。途中で足りなくなっても、今が「まだ煮込み中」なのか「仕上げ後」なのかを見分けられれば、慌てて材料を足さずに対処できます。